
医療従事者は方言の勉強も必要?
独特のアクセントや言い回しに強いクセがある場合、違う地域から来た人はすぐに意味を理解できません。そのため、地方にいる医療従事者は医療の知識や技術だけでなく、その地域の方言の取得も求められています。ここでは方言にクセが強いとして知られている青森県を例にして医療従事者と方言の関係を紹介していきます。
青森の方言は理解できる?
本州の最北端に位置している青森県は方言をよく使う地域のひとつです。「だはんで」や「だっきゃ」という言葉を語尾につけていたり驚くときに「わいは!」と声を上げたり、など青森独特の言い回しが多いため、県外から来た人はなかなか理解できません。特に「津軽弁」は同じ青森県内で住んでいても聞き取ることが難しく、「日本で最も難しい方言」や「まるでフランス語のような日本語」などといわれることもあります。
たとえば、「どさ?」「ゆさ」という会話。寒い地方はあまり口を開かなくても会話が成立するように言葉が短くなった、という説がありますが、二文字での会話は短すぎてなかなか理解しにくいですよね。この会話には「どこに行くの?」「お風呂に行く」という意味がありますが、身近過ぎてきちんと聞き取ることすら難しいので県外から来た人には「なにを言っているのか分からない」と思われても仕方がないのかもしれません。
地方で働く医療従事者は方言の取得も必要不可欠
医療にまつわる専門的な知識や技術で患者さんに適切な処置を行う医療従事者が専門的な知識や技術を学ぶことは当たり前ですが、それ以外にもその地域で使われている言語、方言を理解することも必要です。人口の1/3以上がお年寄りだといわれている青森では病院を訪れる患者さんの割合もお年寄りが多くなります。若い世代に比べてお年寄りの方が方言をよく使うため、方言を理解しておかなければ患者さんの状態を正確に把握できません。
医療従事者は身体の不調を治すのが仕事ですが、患者さんの状態を把握するためには地域の文化や方言を理解し、患者さんに寄り添うことが大切なのです。
医学生は方言の勉強もしている
青森でお年寄りと接することが多い職種の人は津軽弁を習得しておくことが求められています。特に命に関わる仕事に就いている医療従事者は病状や患者さんの悩みを把握して適切な診断や処置をするためにも津軽弁の理解は必須です。そのため、青森にある大学の医学部では【医療用 津軽のことば】というテキストも配布されているそうです。テキストには「同じ言葉を使っていても意味が異なるもの」や「さまざまな意味が含まれている言葉」「表現することが難しい言葉」など、400もの言葉が収録されており、学生のマストアイテムとなっています。
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医療従事者は方言の勉強も必要?
方言には独特のアクセントや発音があるため、その地域以外の人が正確に理解することはなかなかできません。そのため、地方の医療現場では患者さんのいいたいことがきちんと理解できるように、医療技術や知識だけでなく方言の取得も必要不可欠とされています。